ものをとかす水・運ぶ水
学校で水に
1. 水はものをとかす天才
水は、いろいろなものをとかします。
海の水の中には、80
わたしたちがふだん飲んでいる水にも、実はいろいろなものがとけています。カルシウムやマグネシウムといったミネラルなどもとけています。
2. 塩 や砂糖 を、水にとかすと見えなくなるのはなぜ?
1)
2)
3) 分かれたつぶ(イオン)は水の分子に
3. どうして水はいろいろなものをよくとかすの?
水がものをよくとかすのは、水の分子がもっている
- いろいろな
物質 の分子をもっと小さく分ける性質
水に入った食塩 の分子は、ナトリウムイオンと塩素 イオンに分かれます。これは、水の分子に電気で引きよせる力があるためです。 - いろいろな
物質 の分子とくっつく性質
水の分子の水素 の部分で、他の分子とくっつくことができます。水素結合 という力が働 くからです。
水にはこのような性質 があるので、いろいろなものをよくとかすのです。
4. なぜ油は水にとけないの?
コップに入れた水の中に、油を1てき落としてみましょう。油はそのまま水面にういています。かき回してみると、とけるでしょうか?
かき回すと、油は小さなつぶになって水の中をぐるぐる回っていますが、かき回すのをやめると、すぐに水面に上がってきて、また1つにまとまります。油は、水にとけません。
油の分子は、水の持つ、電気で引きよせる力には
5. 水がとかして運ぶもの
わたしたち人間や他のさまざまな生き物も、水の「とかす力」を
- 食べ物からとった
栄養 を体中に運ぶ。
人間や動物は食べ物からとった栄養 を、胃 や腸 から血液 の中に入れ、血液 にのせて体中に運びます。 - 体の中のごみを体の外へ出す。
人間や動物は体の中にたまったいらないものを、血液 にとかして運び、最後 ににょうや便 として、体の外へ出します。 - 植物が、土の中の
養分 を運ぶ。
植物は、土の中の養分 を水にとかして、枝 や葉まで運びます。葉でつくった養分 も、水にとかして運んでいます。 - ミネラルを運ぶ
水にとけて運ばれたミネラルが植物や動物にとっての栄養源 となる
いろいろなものが、水の中にとけて、水といっしょに運ばれているんだね! 水は、わたしたちの体の中でも大活やくしてるんだ。
【参考文献】
・播磨裕 岡野正義 山崎岳 ほか/共著 『水の総合科学』 三共出版
・平澤猛男/著 『水は永遠の友』 研成社
・石原信次/著 『知っておきたい水のすべて』 インデックス・コミュニケーションズ
・上平恒/著 『水とはなにか』 講談社ブルーバックス
・左巻健男/著 『水と空気の不思議100』 東京書籍
・稲場秀明/著 『氷はなぜ水に浮かぶのか』 丸善
・中川鶴太郎/文 村田道紀/絵 『氷・水・水蒸気』 岩波書店
・ウォルター・ウィック/著 『ひとしずくの水』 あすなろ書房
・『学研の観察・実験シリーズ 空気中の水の変化』学習研究社
・石けん百科〜基礎知識編〜豆知識 生活と科学社
・高橋裕 他/編 『水の百科事典』 丸善 1997