ミネラルウォーター
ミネラルウォーターというボトルに入った水が、まだそれほどなじみがなかったころは、「水をお店で買うの?」とおどろく人がいました。しかし今は、ボトル入りの水はとても身近なものになっています。飲んだことがある人も多いでしょう。ミネラルウォーターが人びとに受けいれられるようになったのは、なぜでしょう。
1. ミネラルウォーターが飲まれるようになってきたのはなぜ?
日本では1980年代の後半から、今に続く自然志向や健康ブームが始まってきました。人びとが、人工的なものより自然なものがよい、健康を大切に考える生活をしたい、と感じるようになってきたのです。また、海外旅行をする人が増え、外国でボトル入りのミネラルウォーターを飲む体験をしてきたことなどで、それまではウイスキーの水割り用として、主に飲食店などで取りあつかわれていたミネラルウォーターは、家庭へも広がり始めました。
1990年代の後半からは、もう暑や水不足のためにさらにミネラルウォーターが求められるようになりました。また、災害時に備えてボトル入りの水を置いておこうという意識も高まり、ミネラルウォーターは、人びとにとって、大変なじみのあるものとなりました。
ミネラルウォーターを飲む人達に対しておこなった調査で、「ミネラルウォーターを飲む・利用する」理由をいくつかあげてもらうと、「おいしいから」(56.6パーセント)が第1位。ついで「安心だから」(46.2パーセント)、「飲みやすいから」(45.2パーセント)、「自然、天然の水だから」(34.3パーセント)という順になっています。(「サントリーミネラルウォーターレポート」より)
2. 日本のミネラルウォーターの分類
ミネラルウォーターはどれも同じではありません。日本では、農林水産省が「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」を設定して、以下のように分類しています。
●ナチュラルウォーター
特定の水源から採れた地下水。ろ過・ちんでん・加熱殺きん以外の処理をしていないものです。
●ナチュラルミネラルウォーター
ナチュラルウォーターのうち地中でミネラル分がとけたもの。ろ過・ちんでん・加熱殺きん以外の処理をしていないものです。
「サントリー天然水」はナチュラルミネラルウォーターです。ミネラル分を人工的に入れたり、成分を加工したりしていない、自然本来のおいしさを生かした安全な水です。サントリー天然水には4つの水源(南アルプス・北アルプス・奥大山・阿蘇)があります。
どれも飲みやすい軟水のナチュラルミネラルウォーターで、そのまま飲んでもおいしく、お茶を入れたりご飯をたいたりするのにもよく合っています。
●ミネラルウォーター
ナチュラルミネラルウォーターと同じ原水で、ろ過・ちんでん・加熱処理の他、オゾン殺きん・し外線殺きん・ミネラル分調整・ブレンド等を行ったものです。
●ボトルドウォーター
飲用可能な水。水道水でもよく、処理方法に限定はありません。
「ナチュラルウォーター」「ナチュラルミネラルウォーター」「ミネラルウォーター」のもとになる地下水は、雨や雪が長い年月をかけて地下深くまでしみこみ、土や砂、岩の層の中で何度もろ過され、ほこりやちりが取りさられたものです。同時に、土や岩の中のいろいろなミネラル成分をとかしこんでいき、きれいでミネラルをふくんだ地下水となっていきます。
3. 自然のめぐみを守る
地上に降った雨や雪は、気が遠くなるくらいの長い年月をかけてゆっくりと地下にしみこみ、きれいにろ過されると共に地中のミネラル成分がとけこんでいき、地下水となります。その地下水をくみ上げたり、わき出た地下水をくんで、ナチュラルミネラルウォーターがつくられています。そのため、ナチュラルミネラルウォーターは「天のめぐみ」「大地のめぐみ」「大自然のめぐみ」などともいわれています。おいしいナチュラルミネラルウォーターを保っていくためには、地下水をお染しないよう、地下水を育てている自然を守っていく必要があります。
ナチュラルミネラルウォーターの「サントリー天然水」を生産、販売するサントリーでは、自然のめぐみを守っていくため、地下水をくみ上げている土地の周辺の環境を守る活動「水と森を育む活動」に取り組んでいます。(くわしくは「保護」の中の「水と森を育む活動」を読んでください→)
ナチュラルミネラルウォーターは、ミネラルがとけこんだ地下水からできていて、「おいしい」「安心」という理由で、みんなによく飲まれるようになってきたんだね。ナチュラルミネラルウォーターは自然のめぐみだから、自然を守っていくことがおいしいミネラルウォーターをつくることにつながるんだ。