人類の祖先と水
今から約200万年前、わたしたち人間の祖先は、生活の場を水辺に求めて集まったと想像されています。川や湖などの水辺は、かりにも、ずっと後になってからおこなわれるようになった農耕にもよい場所でした。水と人間の歴史の始まりを見てみましょう。
1. 水辺での生活の始まり
約200万年前、わたしたち人間の祖先は、水辺に集まり、そこで食べ物をとり、生活に石を利用し、家を建て暮らしたと想像されています。
川や湖などの水辺に住むと、飲み水がすぐ手に入るだけでなく、そこへ水を飲みに集まってくる動物のかりをおこなうこともできました。
水辺での生活が始まった
水辺は、もうじゅうがいて危険も多いので、最初は人も、森の中に住んでいました。しかし石器や住居をつくるようになり、集団で暮らすようになると、便利な水辺へと近づいていったのです。
2. 水に乗って遠くへ
今から約20万年〜10万年前、アフリカに出現した新人(いまの人間と同じ種類の人)は、アフリカ大陸をはなれて、ヨーロッパやアジアへと旅立っていったという学説が現在では有力です。
新人は水辺であみをつくって魚をとり、やがて、いかだや小ぶねをつくるようになりました。そのふねで海原へとこぎ出し、それまで人がわたれなかった海をこえて、オーストラリアまで行き着きました。人はこうして、水に乗ってはるか遠くにまで移動するようになっていったのです。
人は危険から身を守れるようになって、水辺で暮らし始めたんだね。そして水辺で魚をとったり、ふねをつくったりすることを始め、知えや技術をどんどん身につけていったんだ。また、水を通り道として利用し始めたんだね。
【参考文献】
・加賀徹夫/著『世界大アトラス』小学館