ヨーロッパの水の都
世界には「水の都」と呼ばれている街がいくつかあります。ヴェネツィア、アムステルダム、バンコク、蘇州などです。そこでは、人びとは長い間水のめぐみを受け、ときには水の力にせめられ、それでも水といっしょに暮らしを続けてきました。「水の都」とはどのような街なのか、ヨーロッパの水の都の1つ、ヴェネツィアを訪ねてみましょう。
アドリア海の女王・ヴェネツィア
ヴェネツィア・蘇州などの位置
ヴェネツィアの街
ヴェネツィアは、イタリア北部のアドリア海の中にあって、小さな100以上の島でできています。その多くの島と島を、400もの橋と150本以上の運河でつなぎ、1つの街にしているのです。まさに、「水の都」です。世界遺産にも指定され、たくさんの観光客が訪れる、イタリアの中でも指折りの美しい街です。
運河は、街の中でさらに小さな運河に枝別れします。街中を迷路のように運河が通り、その小さな運河の両わきに、小さな家が並びます。街のほとんどの道はとても小さくてせまく、そのため自動車は通れません。みんな車を気にすることなく、のんびりと道路を歩いています。
運河のほとり
<ア. ボートが大活やく>
自動車が通れないので、ヴェネツィアでは救急車やパトカーの仕事、ごみの収集は全て船がおこないます。バスもタクシーも、全て船です。運河や家の並びのあちこちには、小さな船着き場がつくってあります。ごみもそこに出すし、乗り降りもそこでおこなうのです。
<イ. ヴェネツィア風に進化したゴンドラ>
ヴェネツィアといえば、ゴンドラです。観光客が乗るだけでなく、荷物を運んだり、移動スーパーマーケットのように商品をのせて売ったりすることもあります。せまくて浅いヴェネツィアの運河で動けるように、ゴンドラは進化しました。ゴンドラはとても軽く、一人でこげて少しの力で楽に進むことができます。
ゴンドラと運河
水の都と呼ばれる街には、水と暮らす知えや工夫がたくさんあるんだね。次のページでは、アジアの街、蘇州を見てみよう!