砂ばくの水・オアシス
地球上には雨のほとんど降らない砂ばくと呼ばれる場所があります。この厳しい気候の地域で、人びとの生活を支えるのは水のわくオアシスで、人びとはそれをとても大切にしながら、暮らしています。まずは砂ばくとはどのようなところなのか、見ていきましょう。
砂ばくって、こんなところ
世界の中に、砂ばくはどのくらいあると思いますか? 地球上の面積の、約6分の1が砂ばくです。アフリカにあるサハラ砂ばく、中東にあるカラクム砂ばく、カヴィール砂ばく、中国の北にあるゴビ砂ばく、他にオーストラリアやアメリカなど、世界中各地に砂ばくは存在しています。
砂ばくのあるところ
砂ばくの気候は厳しいことで知られていて、次のような特ちょうがあります。
- 昼間の気温が高い。ときには50度をこえることもある
- 夜になると急に気温が下がって、20度以上下がることもある
- 1年間に降る雨の量がとても少ない。200ミリメートル以下(日本に降る雨の量は、平均で約1,700ミリメートルです)
- 雨が一度に激しく降り、こう水が起こることもある
- 雨が降らない時期が長く、3年〜4年続くこともある
からからにかわいている砂ばくにも、水のある場所があり、オアシスと呼ばれています。砂ばくの中のオアシスは、どのようにしてできるのでしょうか。
1) 砂ばくの周りの山に、たくさんの雨や雪が降る
2) 雨や雪どけ水が、土の中にしみこむ
3) 水がゆっくりと地下の深いところまでいき、水のしみこみにくいねん土などの不とう水層の上にたまる
4) 水が不とう水層の上をゆっくりと移動しながら、砂ばくの下にたまる
5) ところどころで地下水が地面に近づき、わき出す
つまり、砂ばくのぶあつい砂の下には、山からやってきた水が地下深く流れているのです。砂ばくの中にわき出る水は、長い時間をかけて、山から砂ばくへ旅をしてきた水だと考えられています。
からからにかわいている砂ばくの中で、オアシスは人びとの命や生活を支える大切な場所なんだね。砂ばくで暮らす人びとの生活では、水を大切に使うためのいろいろな工夫があるんだろうな。