水のリラックス効果
水の音を聞いたり、水のある風景を見てほっとしたことがありますか? 水には人びとをリラックスさせる力があると言われています。ここでは水のリラックス効果とはどのようなものなのか、世界の人びとが「いやしの水」をどのように利用しているのかを見てみましょう。
1. 水が持つリラックス効果
人びとをいやす水
<ア. 飲む水>
たとえば夜少しイライラしていてねつけないときに、コップ1ぱいの水を飲むと、リラックスしてねむれるようになると言われています。また、きん張しているときに水を飲んでひと息入れる、というのもよくあることです。これは、水に気持ちを静める効果があるからといわれています。イライラしたりきん張したりしているときは、体の水分が不足していることが多いとも言われています。
<イ. 聞く水>
せせらぎの音や波の音、静かな雨音など、水の音を聞くと心がいやされるという人は多いのではないでしょうか。わたしたちはせせらぎの音を聞くだけで、すずしげなイメージ、清潔なイメージなどをえがいて、気持ちよくなることができるのです。このような、水のよいイメージが、リラックス効果を生むと考えられています。
<ウ. 見る水>
海や川をながめたり、都会の公園でふん水を見つめたり──水を見ることで安らいだ気持ちになることができます。最近では、水場のある公園がつくられたり、川沿いに遊歩道がつくられたりと、人が水を見てリラックスできる場所が考えられるようになってきました。見ると同時に、水の音を聞いてリラックスすることもできます。
<エ. つかる水>
温かいお湯につかる「入浴」は、日本では毎日の習慣になっています。熱いお湯(42度くらい)に入ると気分をひきしめる効果があり、ぬるめのお湯(38度〜40度)に入るとリラックスする効果があります。
2. 海外の温泉保養地
世界の名高い温泉保養地には、「いやし」を求めて、遠くからたくさんの人びとが集まります。
<ア. バーデンバーデン(ドイツ)>
高級保養地バーデンバーデン
約2000年前、ローマ軍によって源泉が発見され、浴場がつくられました。今では、長期間たい在する客をあきさせないためにコンサート、カジノ、テニス、乗馬、サイクリング、高級ブティックなど、心身共にリラックスするためのプログラムが用意されている、ぜいたくな温泉地になっています。
浴場の1つ、「フリードリッヒ浴場」は、サウナ、マッサージ、蒸気浴、温泉浴、ジェット浴、休息室などの部屋があり、順番に約2時間かけてゆっくりと体験していくようになっています。もう1つの「カラカラ・テルメ」には屋内外にさまざまなプールやジャグジーなどがあり、サウナも用意されています。
<イ. テルマール(ハンガリー)>
ハンガリーは温泉の国です。数多い温泉のうち、テルマール温泉は、約6ヘクタールのしき地の中に、レジャー用の波のおこるプールがあり、スポーツ・レジャー感覚で温泉を楽しむことができます。
<ウ. ソチ(ロシア)>
約150キロメートルにわたり広がるロシアの代表的な大保養地で、スターリンを始め、ソビエト連ぽう・ロシアの昔からの指導者達の別そうがあります。70ほどのサナトリウム(長期的なりょう養のためのし設)と200か所ほどの保養し設、中心地にはリビエラ公園があり、木ぎと花があふれる場所です。
<エ. イスキア(イタリア)>
イスキアは島で、島の至るところから温泉がわきだしています。「ポセイドン」と呼ばれるきょ大な温泉公園は、約5ヘクタールのしき地内に水温のちがう大小さまざまな温泉プールがあり、打たせ湯、ね湯、歩行浴などもあります。
水には、人をいやす力があって、人びとはその「いやし」を求めて、水のある場所や温泉地に足を運ぶんだね。
【参考文献】
・NPO法人健康と温泉フォーラム
・バーデンバーデン公式サイト