体の中での水分の働き
わたしたちの体は、こどもで約70パーセント、大人の人で約60パーセント〜65パーセントが水でできています。体になくてはならない水のうち、血液とあせの働きを見てみましょう。
1. 血液も水でできている
血液の働き
血液は、体のすみずみまで栄養と酸素を運び届け、また体中からいらなくなったものを外に出すために運んでくる、という大切な働きをしています。
例えば、体重が60キログラムの人だと、血液の量は約4.5リットルです(体重の約13分の1が血液)。そのうち1.5リットルの出血があると、体の中に栄養と酸素が運ばれなくなり、命が危うくなってしまいます(血液の約3分の1を失うと危険)。
そんな大切な血液の、半分以上が血しょうという液体でできています。そして、血しょうのほとんどが水でできています。体に必要な栄養や酸素は、この水分にのせて運ばれているのです。
2. 体温を調節する水「あせ」
あせの働き
わたしたちのふだんの体温は36度〜37度くらいで、暑い夏に気温が5度上がったとしても、体温が同じように上がることはありません。体温がたった2〜3度でも上がったら、人間は病気になり、もっと上がると命の危険にさらされます。
体は、体温が上がりすぎないように、調節をしているのです。暑いと、あせをかきますね。あせをかいてぬれたところは、ひんやりするでしょう? あせをかくことで、体の熱をうばい、体温を下げているのです。
3. 水分を取ることの大切さ
暑いときは、あせをかいて体温を調節しているから、それでよい、というわけにはいきません。あせをかいたということは、体から水分が出ていってしまったということです。体の中の水分が足りなくなると、だっ水しょう状が起こったり、熱中しょうになってしまったりします。
じっとしていても口やひふから水分は出ていきます。あせをかくとさらに体の中の水分がなくなってしまいます。健康な体の働きのためには、体が水不足にならないよう、1日の中でこまめに水分を取ることが大切です。
水は、体の中で、命に関わる大切な働きをしているんだね。
【参考文献】
・桜木晃彦/著 『からだのしくみがわかる本』 新星出版社
・鈴木宏明/著 『水のはてなQ&A55』 桐書房
・奈良昌治/著 『水でやせる』 新講社
・『水と健康』 女子栄養大学出版部
・一般財団法人健康医学協会「健康医学」
・「熱中症のホームページ」
・播磨裕・岡野正義・山崎岳/編著 『水の総合科学』 三共出版
・高橋裕 他/編 『水の百科事典』 丸善 1997