魚と水の関わり
魚は水の中で暮らす生き物で、水から出ると多くが死んでしまいます。魚と水は切っても切れない関係です。川に暮らす魚と海に暮らす魚は、どのようなちがいがあるのでしょうか。
1. たん水魚と海水魚
たん水魚はたん水(川や湖やぬまや池など)にすむ魚、海水魚は海にすむ魚です。
河口など、たん水と海水が入りまじる汽水で暮らす魚や、海と川を行き来したり、一生の一時期を海水で過ごす魚も、たん水魚にふくまれます。例えば、ウナギやアユやサケは一生の一時期を海水で過ごしますが、たん水魚と呼ばれています。
これに対して、一生の全てを海水で過ごす魚を、海水魚といいます。
2. 海水とたん水のちがい
海水魚とたん水魚
アジ、タイ、カツオ、ブリなど、おすし屋さんでおなじみの魚は、ほとんど海水魚です。おすし屋さんに「いけす」があり、水そうの中でアジなどの魚が泳いでいたら、その水そうの水は、塩水のはずです。海水魚を、塩分のないたん水に入れると、魚は死んでしまいます。海水魚は、塩分の高い海水の中で、自分の体の塩分(海水よりうすい)を保つような体の仕組みになっているからです。
いけすの魚
逆に、たん水魚は、塩分の低い水の中で、自分の体の塩分(たん水よりこい)を保つような体の仕組みになっています。ですから、川や湖でとってきた魚は、塩水ではない水の中で飼うことができます。
アユやサケのように、たん水と海水を行き来する魚は、その変化に応じて、体内の塩分を調整しているのです。
魚には海水魚とたん水魚がいて、それぞれの水に合った体の仕組みになっているんだね。
【参考文献】
・『日本の海水魚』 山と渓谷社
・『日本の淡水魚』 山と渓谷社
・中村運/著 『生命にとって水とは何か』 講談社
・リバーフロント整備センター/編 『川の生物 フィールド総合図鑑』 山海堂
・「ハゼの生理学ホームページ」