サントリー次世代環境教育「水育 (R)」

「水」について楽しく学ぼう!

動物と水のかかわり

動物も水を飲んで生きています。あせという水分を出すのも人間と同じでしょうか?水がほとんどないばくで生きるラクダの体はどうなっているのでしょうか?

1. 人間以外いがいの動物もあせをかくのかな?

人間は、気温が上がったり運動したりして体温が上がりそうになると、あせをかいて体温を下げ、体温の調節ちょうせつをしています。体温が上がると人間は体調をくずしてしまいますから、あせという水分を出すことは、とても大切なことです。では、人間以外いがいの動物も、あせをかいて体温の調節ちょうせつをしているのでしょうか?

実は、あせをかく動物とかかない動物がいます。たとえば、ウマはあせをかく動物です。ネコなどは、あせをかいて体温を下げたくても、できない体の仕組みになっています。では、あせをかかない動物はどのようにして体温調節ちょうせつをしているのでしょうか。

  •  基本的きほんてきに、暑いときはなるべく動かないようにしている。ネコなど、すずしい場所を見つけてじっとしている姿すがたがよく見られる。
  •  口を開けて長いしたを出し、ハーハーしてよだれを蒸発じょうはつさせることで、体温調節ちょうせつをしている。身近な動物では、イヌによく見られる。
  •  ゾウやウサギは大きな耳をパタパタさせて、そこからねつを放出している。

    動物の体温調節(ちょうせつ)
    動物の体温調節ちょうせつ

2. 水が少ないばくでらすラクダはどうしているの?

ラクダは、水を飲まずに1日に100キロメートル以上いじょうも歩くことができるといわれています。もし、仕事をせずにのんびりらせば、10日以上いじょうも水なしで生きられるそうです。また反対に、水を飲むときは一度に100リットル以上いじょうも飲めるというのです。いったい、ラクダの体はどうなっているのでしょうか。

  •  ラクダが飲んだ水は血液中けつえきちゅう吸収きゅうしゅうされます。他のほ乳類にゅうるいよりも多くの水を血液中けつえきちゅうにためることができます。
  •  ラクダのこぶの中にはしぼうがつまっていて、食料しょくりょうがなくエネルギーが足りなくなると、このしぼうをエネルギーにえます。そのときに代謝水たいしゃすいという水ができ、体の中で利用りようされています。
  •  塩分えんぶんのこいにょうを出すことができます。その体のつくりのおかげで、ばくの塩分えんぶんの多い植物を食べて、そこから水分を取りこむことができます。
  •  ラクダは、鼻のあなじたり開いたりできます。はく息はしめっており水分がふくまれているので、息をはくときにはいったん鼻のあなじ、鼻の内側うちがわから息の中の水分を体内に吸収きゅうしゅうします。そして、鼻のあなを開いて、かわいた息を外へはき出すのです。

    ラクダの体温調節(ちょうせつ)
    ラクダの体温調節ちょうせつ

人間以外いがいの動物にとっても水はかせない。体内の水分をたもつことができる体の仕組みになっているんだね。

【参考文献】

 ・中村運/著 『生命にとって水とは何か』 講談社

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