アジアの水の都
アジアにも「水の都」と呼ばれる街がいくつかあります。中国にある蘇州もその1つです。蘇州とはどのような街なのか、水と共に、人びとがどのように暮らしているのか、見てみましょう。
水と共に栄えた街・蘇州
ヴェネツィア・蘇州などの位置
蘇州は上海(シャンハイ)の近くにある、水の都です。太(タイ)湖と陽澄(ヤンチョン)湖にはさまれ、太(ター)運河という運河が街を通っています。また、中国の大河、長江の三角州にあたる地域でもあり、昔から水上交通の大切な場所でした。呉淞江(ウーソンコウ)から長江へも出られるので、他の国との貿易のぶ台にもなりました。
蘇州一帯は作物が実る豊かな土地で、湖や川の魚、綿花、絹織物など、たくさんの産物があります。街の中には運河がはりめぐらされ、たくさんの橋がかけられています。船が運河を進む中、朝や夕方には、洗いものをする女性達が運河に顔を見せます。蘇州では、運河と暮らしは今でも深くつながっています。
<ア. 橋の上はいつもにぎやか>
運河にかかる橋は、わたるためだけのものではありません。たくさんの人が通る橋の上には、いつも市場がたち、お店が並んでいます。人びとの集まる橋のたもとには、茶館もできました。茶館はお茶を飲むだけでなく、街の公民館のような役割を果たしています。大切な仕事の話や会議もおこなわれ、また、絵や詩など、習い事の集まりも開かれます。
<イ. 家はどのような形?>
街の家は、全て運河に面して建てられています。運河からながめると、すき間なく家が並んでいて、1けん1けんの家がとても小さくてせまい感じがします。ところが中に入ってみると、ずっとおくまで部屋が続いて、思ったよりも広いのが特ちょうです。1けんごとに自分の家の船着き場を持っていて、そこでものを洗ったり、船で売りに来たものを買ったりします。
南北に長い蘇州の住宅
<ウ. 料理も洗たくも、運河の水!?>
蘇州では、水道も通っていますが、運河の水も同じように使っている人がたくさんいます。野菜や衣類を洗ったり、中には飲み水として使っている人もいます。
水の都とよばれる街には、水と暮らす知えや工夫がたくさんあるんだね。長い間水と上手に生きてきた街だから、これからもずっときれいな水の都でいられるといいな。