わたしたちが毎日使う水
飲む水はもちろん、トイレで流す水、おふろの水、手や顔を洗う水、などなど、わたしたちの生活は水なしでは考えられません。しかし、じゃ口をひねれば水が出て当たり前の生活で、水の大切さは、水道の水が止まってしまったときくらいにしか実感できないものです。わたしたちが毎日使う生活用水の量はどのくらいでしょうか。どのようなことに水を使っているでしょうか。自分が使う水のことを知り、その大切さに目を向けてみましょう。
1. 毎日使う水の量はどのくらい?
わたしたちが使う水のほとんどは、水道から出てくる水です。いま、日本全国の、家庭や学校などで水道が使える割合は、
98.1パーセント(2020年度(令和2年度)、厚生労働省調べ)。日本国内のほとんどの人が、水道の水を使えるようになっていることがわかります。
見えないところからどんどん出てきて、見えないところへどんどん流れていく水。いったい、わたしたちは、どのくらいの水を使っているのでしょうか。
家庭で使う水を「家庭用水」、学校・レストラン・デパート・事業所・公園のふん水などで使う水を「都市活動用水」といい、あわせて「生活用水」とよびます。
「家庭用水」 → 家庭で使う水
+
「都市活動用水」→ 学校・レストラン・デパート・事業所・公園のふん水などで使う水
↓
「生活用水」
東京都水道局によると、1人が1日に家庭で使う水の平均使用量は、1973年度(昭和48年度)では約192リットル、2007年度(平成19年度)では約239リットル、2019年度(令和元年度)では約214リットルでした。
人びとの生活スタイルが変わってきたことによって、水の使う量が変化しています。
2. 水を何に使っているの?
こんなにも大量の水を、わたしたちは何に使っているのでしょうか。生活用水のうち、家庭用水の使われ方を見てみましょう。
グラフは、東京都の家庭での水の使われ方を示しています。
東京都水道局 2015年(平成27年)度 いっぱん家庭水使用目的別実態調査より
実際に使っている水の量は次のようになります。
1位 おふろで使う水
浴そうにためる水は、約200リットル※(2リットルのペットボトルで約100本分)です。シャワーを出しっぱなしにすると、5分間で約60リットル(2リットルのペットボトルで約30本分)使うことになります。
※250リットルの浴そうで、8分目までためた場合
2位 水洗トイレで流す水
トイレで流す水の量は、ロータンク式トイレ(コーナーや便座のうしろにタンクがあるトイレ)で、1回に約12リットル〜20リットル(2リットルのペットボトルで約6本〜10本分)です。新しい節水型トイレだと、1回に流す水量は、約3リットル〜8リットルにおさえられます。
3位 台所ですい事に使う水
にる、ゆでる、わかす、洗うというように、飲用以外の目的で毎日多くの水が使われています。食器洗いには、水道の水を5分間出しっぱなしにした場合、約60リットル(2リットルのペットボトルで約30本分)使用することになります。
4位 洗たくに使う水
最近は使う水がより少なくてすむ洗たく機も出てきましたが、それでも水はたくさん必要で、全自動洗たく機を1回回すと約110リットル使用することになります。
1年を通して見てみると、トイレの水は1年間で使用量に変化はありませんが、おふろや洗たくに使う水の量は、季節によって変わることがわかっています。気温が高い時期(6月〜9月)に使用量が増え、気温の低い時期には、少なくなります。暑い季節には、あせをかくからおふろやシャワーの回数が増えますし、洗たく物も増えるからでしょう。
わたしたちが実際に飲んでいる水の量は少なくても、生活の中ではとてもたくさんの水を使っているのです。
自分が毎日使っている水の量や、水の使い道がわかったね。こんなにたくさんの水をみんなが毎日使い続けて、水は足りなくなったりしないのかな? 「環境」の中の「節水の工夫」も読んでみてね。→
【参考文献】
・『平成17年度 日本の水資源』 国土交通省
・国土交通省ホームページ
・東京都水道局ホームページ
・東京都環境局ホームページ
・カントウ・リバー・スコープ
・都築俊文、伊藤八十男、上田祥久/共著 『水と水質汚染』 三共出版)
・山本忠煕/著 『不思議な水の科学と生活』 文芸社
・北野大/著 『知っているようで知らない「水」の不思議』 大和書房
・『環境問題総合データブック2004年版』 生活情報センター
・『女性の暮らしと生活意識データ集2005年版』 生活情報センター
・東京都水道局ホームページ くらしと水道:水の上手な使い方