じょう水場の仕組み
わたしたちの暮らしに使う水は、どのようにして安全な水になっているのか、ここではじょう水場の仕組みを探ってみましょう。
1. 水をきれいにする仕組み・じょう水
わたしたちに水が届くまで
川や貯水池などから取った水を、きれいで安全な水にするのがじょう水場です。じょう水場では、どのようにして水をきれいにしているのでしょうか、その仕組みを見てみましょう。
1) よごれのつぶをしずませる・ちんでん
細かい土や砂を、薬を使って大きなつぶにしてしずませます。
2) ろ過する
1)である程度きれいになった水を、細かい砂利や砂などをしきつめたところにしみこませて、にごりや細きんをとります。ろ過をゆっくり行うと砂や砂利にくっついたび生物により細かいよごれも分解することができます。
3) 消毒する
わたしたちの家まで、きれいで安全に水が届くように、塩素を用いて消毒します。これにより細きんのはんしょくを防ぎます。
4) より高度な処理方法
さらに水をきれいで安全にするために、高度な処理方法を採用しているじょう水場もあります。においや洗ざいにふくまれる成分、トリハロメタンと呼ばれる有害物質などを活性炭という炭に吸着させる方法があります。他にも、オゾン、生物、まく、し外線を使って水を安全にする方法もあります。
もっと“わくわく!”水コラム 「海の水を暮らしの水に・たん水化」
水不足になやむ地域の中には、たくさんある海の水から塩分をぬいて、暮らしに使える水につくりかえる工場をつくり、利用しているところもあります。このように海水から塩分をぬくことを「たん水化」といいます。たん水化する工場は、国内では沖縄県や福岡県を中心に各地に広がっています。また海外では中東や地中海沿岸など様々な国で利用され、人びとの暮らしを支えています。
塩分をぬくには、いろいろな方法があります。
蒸発法
海水を熱して蒸発させて、水蒸気だけを集めます。集めた水蒸気を冷やすと、塩分のない水になります。
逆しんとう法
水中の塩は通さないけれど、水そのものは通す特別なまくを使って、海水から塩分を取り除きます。
電気とうせき法
水に電気を通し、特別なまくを使って塩分を取り除きます。海の水のように塩分のこい水にはむかない方法で、少しだけ塩分の入った水をたん水化するために使います。
上のいずれの方法も大量のエネルギーを必要とします。逆しんとう法はその中では比かく的必要エネルギーが少なく、近年利用が増えています。
安全な飲み水を作るには、いろいろ複雑な処理をしなくてはいけないんだ。わたしたちが水をよごしてしまうと、飲み水をつくるのは、今よりももっともっと大変な仕事になってしまう。水をよごさないようにすることは、自分達の飲み水を守ることでもあるんだね!