きょ大な氷・氷河
北極や南極に近い地域や、高い山の上などでは、降った雪がとけずに残り、それが何万年も続いて、きょ大な氷河になっています。わたしたちが住んでいる場所から遠くにある氷河ですが、実はわたしたちのふだんの生活にも関わりはあります。まず、氷河がどのようにできるのかについて見ていきましょう。
きょ大な水の冷とう庫・氷河
地球に、氷河はどのくらいあると思いますか? 南極大陸、グリーンランド、ロシアやカナダの北部など、氷河は北極や南極に近い地域や、ヒマラヤ山脈などの高い山の上にあります。グリーンランドや南極大陸のように、広い面積の陸を氷がおおっているものを、氷しょう、または大陸氷河と呼び、高い山の谷にできる氷河を山がく氷河と呼びます。地球の全部の陸地のうち、約10パーセントが氷河です。
氷河のあるところ
陸をおおうほど大きく、何万年もこおったままの氷河は、どのようにしてできたのでしょうか。
1) 雪が降る
2) 気温が低いため、雪がとけずにずっと残る
3) 残った雪の上に、さらに雪が降り続けて、どんどん重くなる
4) 重さと圧力で、下の雪が氷に変わる
1)〜4)をくり返して、氷が少しずつ厚く、大きくなっていきます。そうしてできたのが氷河です。南極では、数百万年分の氷がたくわえられていると考えられています。これはすなわち、南極の氷を深くほっていくと、一番下の氷は数百万年前にできたものだということです。南極の氷をほりだし、氷の中に閉じこめられた空気を調べて、数百万年前の地球の様子を知ろうという研究も進んでいます。
わたしたちのふだんの生活に、遠い国の氷河はまるで関係がないように思いますが、そうではありません。一方で、わたしたちが出す二酸化炭素などの温室効果ガスなどによって、氷河の面積が少なくなっています。氷河の出す冷たい空気は地球の気象にえいきょうをあたえています。また、氷河からとけ出した水が、世界中の大きな川の水源になっています。
氷河を水源にする主な川
コロンビア川/北アメリカ
ライン川、ドナウ川、ロワール川/ヨーロッパ
インダス川、ガンジス川/アジア
ナイル川/アフリカ
アマゾン川/南アメリカ
また山がく氷河は、水源として次の点で、大変優れています。
- 水が不足しがちな夏に、とけて水になる
- 少しずつとけるので、いつも同じくらいの量が流れる
氷河は、水をきょ大な氷にして保存してくれているのです。そして、水の少なくなる夏の時期に、少しずつとかして水をあたえてくれます。とても優れた、水の貯蔵庫だといえるでしょう。
氷河は遠くはなれたところにあるけれど、わたしたちと無関係ではないんだね。川や海だけじゃなくて、氷河も大切なんだっていうことを、地球の一員として知っておきたいな。