地球の水の問題
人口が増えたことと、人びとの生活の発展によって、水の使用量が増えることなどにより、地球のあちこちで水不足が問題になっています。最近では、各国が話し合い、世界レベルで問題を解決しようという取り組みが進められています。地球の水の問題を、考えていきましょう。
1. 地球の水のうち、わたしたちが使える水は?
わたしたちが住む地球は、「水のわく星」と呼ばれ、水におおわれています。それなのに、なぜ水が足りないのでしょうか。
地球上にある水で、一番多いのは海水です。しかし、わたしたちは海水を直接飲んで生きることはできません。わたしたちが飲んだり、体を洗ったりするのに使える水は、川や湖などの水、たん水です。
地球上の水の内訳
地球上にある水の約97.5パーセントは海水などで、たん水は約2.5パーセントしかありません。しかも、このたん水の大部分は、南極、北極などの氷や氷河として存在しており、さらに、残りのたん水のほとんどが深いところにある利用しにくい地下水で、川や湖、浅いところにある利用しやすい地下水などの水の量は、地球上にある水の量のわずか約0.01パーセント〜0.02パーセント程度にすぎないといわれています。
2. 世界がかかえる水の問題
国連の調査によると、世界の人口が増えたことによって、1人あたりが使える川や湖の水の量が少なくなってきています。そして、一人一人が使用する水の量は、逆に増えてきているのです。国連の報告は次のとおりです。
- 世界の約8パーセントの人が、すでに水不足におちいっている。
- 世界の約4分の1の人が、将来水不足になる地域に住んでいる。
また、水の量の問題だけでなく、水質お染という、水の質の問題も起きています。畑や田んぼ、工場、家庭からのはい水や自動車などのはいガスでよごれた雨水が、川の水をお染し、人が利用しにくい水になってしまうのです。
わたしたちは、水が足りないという量の問題と、水がよごれてしまって使えないという質の問題を、両方考えて解決していかなければならなくなっています。
3. 水の問題への世界の取り組み
水の問題を重要なこととして国連で初めて話し合ったのは、1977年(昭和52年)のことです。この年「国連水会議」が開かれました。
その後、1992年(平成4年)には「水と環境に関する国際会議」が開かれ、「ダブリン宣言」が発表されました。「ダブリン宣言」では、たん水が限りある資源であることや、水資源の開発や管理はすべての人が参加して行うべきである、といったことを世界の人びとに呼びかけています。
さらに、1996年(平成8年)には「世界水会議」が設立され、3年に1度、「世界水会議」が中心となって「世界水フォーラム」が開かれるようになりました。第3回世界水フォーラムは2003年(平成15年)に日本で開かれ、182の国や地域から2万4000人をこえる人びとが参加し、「フォーラム声明文」がまとめられました。
世界には、必要な水が不足している人達もいるんだね。限りある水を、世界全体で考え、守っていかなければならなくなっているんだ。