サントリー次世代環境教育「水育 (R)」

「水」について楽しく学ぼう！

下水がきれいになるまで

トイレを流した水、洗（せん）たくでよごれた水、シャンプーでかみを洗（あら）って流した水、台所に流したみそしるの残（のこ）り。みんなはい水口に流れていって、あっという間に消えてしまいます。でもこれが川や海に帰るまでには、はい水口、下水道、処理場（しょりじょう）などを通っていかなければなりません。わたしたちが使った水や工場から流れる水がどのような旅をするのかのぞいてみましょう。

1．　下水がきれいになるまで

わたしたちが家や学校で使った後の水、工場から流れる水、道路などから下水管（げすいかん）に流れこんでくる雨をまとめて、「下水」と呼（よ）んでいます。下水がきれいになるまでを、見ていきましょう。

　1）　生活はい水

わたしたちの家から出る水、学校やオフィスビル、お店などから出る水を合わせて生活はい水と呼（よ）びます。生活はい水にはトイレ、洗面所（せんめんじょ）、台所、ふろ、洗（せん）たくで使った水、ビルの冷（れい）ぼうに使われた水などがあり、これらははい水口を通って下水管（げすいかん）へ流れこみます。

はい水口の下の管（かん）が、S（エス）の字形に曲がっているのは、そこに水をためて、外のはい水管（すいかん）から虫などが入ってくるのを防（ふせ）いだり、いやなにおいがするのを防（ふせ）ぐためです。

　2）　工場はい水

工場で利用（りよう）されてよごれた水は国や地域（ちいき）で定められた基準（きじゅん）を満（み）たすように工場内や工場団地（だんち）できれいにされた上で下水管（げすいかん）へ流れこみます。

　3）　雨水

屋根や道路などに降（ふ）った雨は道路の脇（わき）にあるはい水口などを通って下水管（げすいかん）へ流れこみます。

　4）　下水管（げすいかん）で処理場（しょりじょう）へ運ぶ

下水管（げすいかん）へ流れたよごれた水は処理場（しょりじょう）へと運ばれます。お水（生活はい水や工場はい水）、雨水を合わせて処理場（しょりじょう）へ運ぶ下水道（げすいどう）を合流式下水道（ごうりゅうしきげすいどう）といいます。お水と雨水とを分けて、お水だけを処理場（しょりじょう）へ運び、雨水を河川（かせん）や海へ運ぶ下水道（げすいどう）を分流式下水道（ぶんりゅうしきげすいどう）といいます。東京（とうきょう）都のような古くからの大きな都市の多くは、合流式下水道（ごうりゅうしきげすいどう）が使われています。

下水管（げすいかん）は、よく流れるようにかたむきをつけてうめられています。でも、どんどん深くなってしまうので、ときどきポンプでくみ上げて、また上から流すようにしています。下水をくみあげる場所が、ポンプ所です。

　5）　水をきれいにする・処理場（しょりじょう）

よごれやごみを取り除（のぞ）いて、消毒（しょうどく）して、川や海に流しても大じょう夫（ぶ）な水にします。

　6）　旅のゴール・川や海へ

きれいになった水は、川や海へ放流されます。

多くの下水は下水処理場（しょりじょう）で処理（しょり）されますが、工場はい水の一部には工場内できれいにされて川に直接（ちょくせつ）流されるものなどもあり、必（かなら）ずしも全ての生活はい水や工場はい水が下水処理場（しょりじょう）で処理（しょり）されるわけではありません。

下水がきれいになるまで
下水がきれいになるまで

もっと“わくわく！”水コラム　「探（さが）してみよう！　はい水管（すいかん）と下水道」

「地面の下にうまっているものを、どう探（さが）すの？」と思うでしょう？

はい水管（すいかん）が通っている場所の上には、四角や丸のふたがあり、その下にはい水管（すいかん）があります。はい水管（すいかん）を点検（てんけん）するときに、検査（けんさ）する人がこのふたをはずします。庭や近くの道路を探（さが）してみましょう。

同じように、下水道の上にはマンホールと呼（よ）ばれる丸いふたがしてあります。これも、下水道の点検（てんけん）をするときに使います。町の道路や歩道にたくさん見つかります。東京（とうきょう）23区内には約（やく）48万個（こ）ものマンホールがあります。ふたの模様（もよう）も市や町によってちがうので、みなさんの町のマンホールはどのような模様（もよう）なのか、見てみましょう。

下水がきれいになるには、とても長い旅をするんだね！では処理場（しょりじょう）では、どのように水をきれいにしているんだろう？続（つづ）きのページでくわしく見てみよう！

このページの先頭へ

  • 「環境（かんきょう）」の9 / 16